
金曜日の夕方に行ったら、コラボ中だった。
先客は5人くらいだった。以前キュアメイドカフェについてネットで情報収集していたら「コラボ中は混む」と誰かが言っていたような気がするけど、運がよかったのか平日だったからなのか、空いていた。
このときは「LINEクーポンをつかったら安く楽しめるんじゃないか」と思って行っただけなので(そのあと実際書いた記事はコチラ)、予想外の副産物でコラボカフェの様子を見られた。コラボしていたのは知らないアニメだった。
雰囲気は文化祭っぽい。
お店の内装はふだんとほとんどイメージが変わらず、ふだんどおりの壁にアニメの絵が飾ってあった。

制服を着たマネキンが一体飾られていて、BGMにはそのアニメのアニソンらしき歌が流れていた。

コラボメニューは下敷き一枚分。

お金はあんまりかかってなさそうだけど、不思議と手抜き感はなかった。
秋葉原特有のハンドメイド感があった。秋葉原についてそんなによく知ってるわけじゃないから、あんまり偉そうなこと言えないけども。
なんというか、オタクの需要に合わせて企業が「こういうの好きなんでしょ?」とつくっているんじゃなくて、オタクが自分たちのために「こういうの、いいよね」とつくっているような感じがした。
「古き良き秋葉原」っぽいなぁ、と思った。

最近、秋葉原についての本を読んだ。その本によれば、秋葉原にはオタクたちが自然と集まって、自然とオタクの街を作り上げたらしい。すごいエネルギーだ。
背景をずっとさかのぼっていくと、戦後のGHQとかそういう政治的な事情もあるらしいけど、家族があつまる電気街からオタクのあつまる街に変身したのは、つきつめれば「そこにパソコンが売られていたから」という理由だけらしい。
大企業が「秋葉原をオタクの街にしよう」とプロデュースしたわけじゃないのだ。
パソコンを求める人たちが自主的に秋葉原へ集まって、パソコンマニアたちがいわゆるオタク趣味を持っていたから、需要に供給が追いつく形で、秋葉原は自然とオタクの街になった。
引き金はエヴァンゲリオンの大ヒット。1990年代後半から3年くらいの間に、ものすごいスピードで、まるで組織的開発でもされたかのように、秋葉原はオタクの街になった。こんな自主的にできあがる街はほかに無い。
半分くらいしか読んでないけど、そんな内容の本だった。

秋葉原って、もともとすごくエネルギーのある街なんだと思う。キュアメイドカフェはメイド喫茶のなかでも一番の老舗で、2001年から営業している。ちょうど秋葉原がオタクの街になった頃だ。
その本を読んで、なんとなく自分が感じていたことが腑に落ちた。秋葉原には、表向きの見栄えの良さは必要ないのだ。
本当に感じた「萌え」がつまっていればいい。商業的じゃない、手作り感満載な同人的な雰囲気こそ、秋葉原の良さなのだ。
キュアメイドカフェには、秋葉原らしい良さがつまっている。コラボカフェ期間中はそれが際立っていた。
私が見たのは知らない作品とのコラボだったけど、もしその作品を好きな人だったら、さらにあったかい気持ちになったと思う。