父から三年ほどまえ「あげるよ」と言われた一眼レフ。
言質はとったのでこの一眼レフは私のものなのだが、いかんせん使い勝手がわからない。
よって三年ほどまえ「このカメラは使えない」という結論に至った。それからはほとんど箱にしまってあった。
さて、背景がボケる写真を撮りたいと思って早三年が経つ。ここ数ヶ月、ブログに載せる写真を撮りながら、いよいよ本格的に「背景をボカしたい」と思いはじめた。
とにかく背景をボカしたいのだ。なぜなら「プロっぽい写真」といえば背景がボケボケにボケているから。
あと暗いところでもきれいに写真を撮りたい。画質という概念はよくわからないけど、画質もいい方がいいと思う。すべてはメイド喫茶めぐりの話である。
メイド喫茶めぐりのレビュー記事はすべてスマホのカメラアプリで撮っている。
アイホンの元々のカメラはシャッター音の威勢がいいし位置情報とか色々こう、色々一緒に記録されていそうで怖いので、無音でシャッターを切れるアプリを使っていた。
このカメラアプリの弱点は、暗いところに弱いこと。あと何となく画質が悪そうなことだ。そして背景がボケない。
というわけで、カメラだ。
しかし父からもらったカメラはつかえないので、中古の安いカメラを探さなきゃいけない。
私はググった。そして、一眼レフほど高価なカメラでなくても、どうやらコンデジで背景をボカせるものがあるらしいと知った。
コンデジをご存知だろうか。響きがカッコいいので私はこれから積極的に使っていきたいと思っている。意味は「デジカメ」とまったく同じだ。
背景をボケさせるためには、単焦点レンズというレンズで撮ればいいらしい。ということは私は、「単焦点レンズのはまっているコンデジ」を探せばいいわけだ。
あれやこれや調べて、中古ならば1万円程度で手に入りそうだと分かった。
1万円の出費は痛い。しかし家には使えないカメラしかない。
この使えないカメラ、何者なんだろう。
ふと「まえコレで撮った写真ずいぶん背景ボケてたな」と思い出し調べてみると、この一眼レフにはまっていたのは、単焦点レンズだった。
これは灯台下暗しだ。私の至上命題となりつつあった「単焦点レンズを手に入れる」が、三年前にすでに叶っていたのである。
しかも「これも使っていいよ」と言われたコンデジ。仕組みはわからないけどそこそこ背景がボケる。
こうなるともう、単純に勉強不足である。カメラが使えないのではなく私が使えないのは薄々気づいていた。仕方ない、勉強しよう。
F値だの絞りだの絞りだのF値だの、いまのところF値と絞りしか知らないけど、とにかくそういうものを勉強しないと良い写真は撮れないんだと思う。
F値は小さいほど背景がボケると分かった。これでもうF値に用はない。小さくすればいいと分かったから。
F値を小さくするために、一眼レフの電源を入れた。たぶん記されている数値的に、レンズに沿うようにはまっている輪っかを回すとF値が変更されるんだろう。
この輪っかは3年前も回した。回せば回すほどF値じゃないっぽい。
回すとピントの合う場所が変わるから、これは焦点距離を変えるための操作だと思うのだが、カメラ業界ではそれをF値と呼ぶのだろうか。
……そもそもF値ってなんだ?
そこで現在の私はとまっている。
この記事を書いて初めて、自分がそもそもF値という言葉の意味を知らない、という前提に気づくことができた。