自称サンタクロースの少年。

昨日めずらしく友達と遊んだ。

喋りながら、お星さまメイドカフェ&バー「スターライトノベル」があまりに楽しかったことを披露したくなった。

しかし「メイド喫茶行ってきたんだ」という話の導入部分で「え、一人で?」とドン引きが返ってきたので、必殺3コンボ「①友達と②チラシもらった③ノリで」をキメてしまった。

別にひとりでメイド喫茶楽しんでもいいじゃないかと切り返すだけの体力がなかった。

改めましてこんにちは。自分が好きなものを自信を持って披露できないクズです。

その帰り道、駅前で、サンタクロースを自称している推定5歳の男の子がいた。

並びは父、子(男の子推定5歳)、子(男の子推定3歳)の三人。

5歳の子は青いニット帽を手にしていた。

そしておもむろにてっぺんのボンボンを触りはじめ「サンタクロースみたい」と言った。

お父さんは「あぁ本当だねボンボンついててね」と、その晩の親子間だけで全国三兆回くりかえされたであろう、適度に適当なあしらいを見せた。

わずかに沈黙が流れた。その話は終わったのだと見せかけて、つぎの瞬間。

男の子は帽子をかぶり、声量をワントーン上げた。

「お父さん見てください、サンタクロースです!」

突然敬語の大音量でアピールをはじめた。自らがサンタクロースであると。そしてお父さんはまさかの無視。弟のほうに手がかかるらしい。5歳の子は諦めない。

「お父さん見てください! サンタクロース! 見て! パパ見て!」

シンプルに吹き出すかと思った。パパ見てあげてください。道端の成人の表情筋はもう、平静を保てていません。

私はヤバい顔がこれ以上ヤバくなる前にサンタクロースから急ぎ足で離れた。しかし横からやって来た親子がまさかの刺客であった。

母と推定5歳の男の子が並んでしりとりをしていたのだ。

「パン屋」

母の出した単語に、男の子は迷ったあと自信ありげに応えた。

「休み時間の」

なるほど。「休み時間」だと負けてしまうからそこに助詞「の」をくっつけたというわけか。

「えー何それだめだよ」

母はつれない。すると男の子のテンションは急に下がった。

「じゃあ……休み」

そこで区切る選択肢あったんかい。

「みかん。あー負けちゃったもう終わり」

「えー、んこ! んんこ! あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」

あひゃひゃひゃひゃ。

私はここで、表情筋を真顔に戻そうという無駄な抵抗はやめた。

ふと前を見ると、小学生が半袖で歩いていた。

いや視覚のインパクト強すぎ。

なんだかとても、つかれました。

……

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