ここ二日、早起きして朝散歩している。ドヤ顔。
「そうだ、早起きしよう」と思い立ったわけではない。
「朝八時に起床する生活スタイルがやべぇことは分かる」という消去法だった。朝八時に起きるのがダメならじゃあ七時ならどうだ、まだ足りないか六時四十分ならどうだ、と。
夜日付が変わるまでに布団に入れば割と起きられる。起きる時の睡魔が若干キツイだけで、起きてしまえば眠くはならない。普段から睡眠過多なせいだと思う。
早起きは三文の徳というけれども、何かいいことがあったのか、と問われれば、「なんとなくいい感じ」としか返せない。
とりあえず体の調子がいい。とても体の調子がいい。寝すぎた時より飯が喉を通る。気分もいい。
というわけで、七時前に起きて八時までに家を出る。そして意味もなく通勤電車に乗り、帰って来る。
生産性のないこと山のごとし。
散歩中、体が覚醒してる感じはあるけれども、精神状態は完全に日向ぼっこである。日向の匂いがなつかしい。
思えばガチで一年近く、朝八時に家を出たことはなかった。なつかしいわけだ。
山のような非生産性を背負って家に帰るのは九時だ。
これまでも八時頃には起きていたので、作業できる状態で九時に家にいるというのは、これまでと変わらない。
むしろ早起きした方が、散歩から帰って来ても「まだ朝早いし」という感覚が抜けず余裕しゃくしゃくで朝ドラの録画を見てしまう。頭が足りない。
朝早いといえば私の双子の姉は、私と正反対なアクティブパティーンの人間である。朝早くから夜遅くまで活動していることが多い。
アクティブなので卒業旅行は海外。台湾へ行く。家を出発する予定時刻は午前三時。
彼氏が車で迎えに来るのだが、一緒に海外へ行くのは友達で、彼氏は姉&姉の友達を空港まで送るだけだそうだ。
私は、姉と彼氏が健全な関係を築いているのか不安である。姉は彼氏から、「タクシー運転手みたいで嫌だから、後部座席じゃなくて助手席に座ってね」と言われたそうだ。
いや人がよすぎるだろ。
ツッコミポイントは彼氏だけではない。
まさかの台湾まで行って一泊二日で真夜中帰宅というのもツッコみたいところである。
そんな仕事みたいなハードスケジュールで行くと現地では「寝る」「食う」くらいしかやることがないように思えるのだが、大丈夫なのだろうか。
さて、私はここ二日で、朝外に出ると体の調子がいいことは実感した。
そして姉が台湾へ向けて出発するという朝三時は、私よりさらに五時間早い試みである。朝三時に家を出ると体はどんな具合になるんだろうか。
個人的には、三時は朝じゃなくて夜だ。
完全なる夜。体の具合がよかったらそれは時間のせいじゃなく旅行ドーパミンのせい。
……
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