卒論がぶっ飛ぶ、その日まで。

備えあれば憂いなし。

私は用心深く、早め早めに卒論を進めている。

しかしこれは、デキるから早めにやっているのではない。致命的にデキないから、せめて死なないために早めにやっているのだ。

思えば昔から用心深いタチだった。小学生時代は、忘れ物がないようにとすべての教科書を毎日持ち運ぶという狂気の沙汰をこなしていた。

そのためランドセルはランドセルというより米袋だったけれども、しかしこの頃は「自分はデキるから用心深いのだ」と錯覚していた。

自信が打ち砕かれたのは高校入試である。

このイベントで私の「デキなさ」が浮き彫りになった。

受験に至るまでも、母が私を追いかけて、忘れた受験票を届けてくれるなどそれなりにやらかしていたが、一番やっちまったのは無事に合格した後だった。

その日私は、入学手続き書類を、合格校に提出しなければいけなかった。

中学から一度家に帰って来て、書類のみが入ったリュックを背負って高校へ向かった。そのはずが高校へついた時、リュックの中には書類が入っていなかった。

確認していないわけじゃない。

どうやって忘れるのかと言うと、出して確認して戻して、出して確認して戻して、出して家を出るのだ。たぶん。

怖いことに記憶がない。「言われてみたら確認したあとリュックに入れるの忘れてたわ」とかもない。

誰かに盗まれたのかと思った。しかし家に帰ると、確認作業に勤しんでいた作業現場へきれいに置かれていた。

仕方なく、私はそれを回収してもう一度高校へ向かった。

高校へ着いてみると、リュックの中には書類が入っていなかった。

愕然とした。

受付の人だって「あ、書類忘れましたもう一回来ます」と帰って行った奴がもう一回来て「あ、また忘れました」と言ったら絶句するしかないだろう。

三回目で何とか提出して、それからというもの、私は自分のことを一番信用していない。

現在大学四年生なわけだが、卒論は早めに進めないと、マジで卒業できないこともあり得る。

それに加えて、卒論でよく聞くのがデータの破損だ。

「ほぼ完成していた卒論のデータがぶっ飛んでしまった」という悲劇である。

そのため私は、パソコンの両脇にUSBをさした。

8GBのUSBを買い、メインで使っている64GBの反対側にさしたのだ。

加えてパソコン本体にも保存し、ネット上にも保存するという作戦である。

これで大学そのものが吹き飛ぶレベルの何かが起きない限り、私のデータも安泰だろう。

しかしUSBをさしたことに安心してしまって、データはまだ移していない。

さあ、私の卒論データがいつぶっ飛ぶか、お楽しみに。

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