映画『検察側の罪人』を観てきた。

観た。難しかった。

検察っていう正義と、それに反する人情がドロッドロに混ざっていく話。コメディ要素は一ミリもなかった。

それにしてもドシリアスである。先入観なく観たかったので予告映像も見ずに行ったのだが、帰って来て「こんなドシリアスなのかい」と予告映像を見たら予告映像もちゃんとドシリアスだった。

刺さるセリフがいくつもあった。特に、話題の取り調べシーン。

というのも、私はもともと「ヒーロー側」に感情移入できない。ヒーローが悪役を倒す決めゼリフは「すいませんでした」という懺悔の気持ちで観てしまうので、どちらかといえば悪役側に感情移入する。こういう人結構多いんじゃないだろうか。

オキノ(ニノ)の取り調べシーンはすごい。使い古された正義で正面から攻めてくるくせに、言葉選びが重いのだ。現実味のある言い回しばかりで、安っぽくない。グサグサ来た。絶妙に俗っぽいからだと思う。

誰しもひとつやふたつは、忘れられない後悔を抱えている。そういう、自分の抱えている後悔まで抉られるようなセリフが多い。これから観る人はほんと、気をつけてほしい。

そして取り調べを受けている容疑者マツクラはホラー。ふつうに怖い。予告映像で唇パッてやってる人だ。あの唇パッがほんとに怖い。取り調べ室の、ぶ厚そうなコンクリート壁に反響した独特の響きが、映画館の音響でゴリッゴリのゴリ。

しかも、オキノとのやり取りの中で、マツクラの色んな面が見える。これがすごかった。ただ頭がおかしいだけだったらここまで怖くない。最初から最後まで間違いなく狂ってるのに、マツクラの人生にうら寂しさを感じさせる部分さえある。もとをただせば可哀想な人なのかもしれないとまで思わせて来る。

オキノの取り調べ方法もなかなか狂気の沙汰だが、かっこいいだけじゃなくて、ちゃんと若造っぽさがある。オキノにもマツクラにもリアリティがあるのだ。居そう、っていう。このリアリティが一番怖い。

事務官タチバナ(吉高由里子)のリアルなビビリ方も相まって、嘘っぽさがなかった。予告映像でも映っているが、あの、壁際に壁際に逃げる感じとか、腕が体をかばっている感じがリアルだった。

オキノもマツクラもあの場面では、方向性は違えどどちらも狂ってる感が濃い。タチバナがあのレベルでビビるから「まぁ映画の取り調べだしね」っていう薄っぺらさが無いんだと思う。

あそこまで狂ってる空間なのに「目の前で大人の男が写真ぶちまけて怒鳴ったら普通にビビる」っていう感覚が消えてないのがよかった。

なんなら観ている側もタチバナレベルでビビることになる。

取り調べシーンほんとすごい。

全体的なストーリーとしては、ひとつひとつ歯車が噛み合わなくなって、間違った方向に回り出すような不快感があった。この不快感クセになるぜ。二時間三分という枠の中だから事件解決に終始するのかと思ったら、ぜんぜん違う。

正義は勝つ、的な展開じゃないのがよかった。正義ってなんだ、勝つってなんだって突き詰めていくと、どうしようもないやるせなさみたいなものが残ると思う。検事の持つ正義は法律だが、人間だから人情がある。

そのやるせなさが生々しく描かれていた。観終わったあと数時間はマジで気分悪くなるのでほんとにすごい。そして観終わって半日くらい経つと今度はもう一回観たくなってくる。

『検察側の罪人』というタイトルがまさにしっくり来るなぁ、と観終わってみて思う。

あと余談だが、人見知り&場所見知りにはキツイほど、事件現場とか容疑者の家とかがリアル。本物感がすごい。画質もヤベェ。

そして私は思った。

このキャラクターたちと、場面と、時間軸と、ストーリー。もとをただせば、ぜんぶ原作者の脳内にあるものだ。脳のなかにもうひとつ日本があるレベル。

それが一番こわい。

原作買った。

「佐藤が叫んだ」ほかの記事

▶嵐の「素晴らしき世界」と現実世界。

最終電車に乗って駆け抜けることは金銭的に厳しい私の現実世界。

▶嵐の「Step and go」とメルマガ。

かくいう私も「うぃーがなすてっぺごー」でテンション爆上がりする数百万人のひとり。

▶嵐の「できるだけ」と私のななみ先生。

クラス会は一生行けない。

▶嵐の「モノクロ」と左腕。

「白い爪跡」って歌詞が出てくるから実際に自分の腕を引っ掻いてみたら痛い。

▶嵐の「サクラ咲ケ」のインド洋。

例の空耳。

▶嵐の「Oh Yeah!」が中性的。

▶映画『検察側の罪人』を観てきた。

▶『検察側の罪人』の髪。

▶『検察側の罪人』の後悔。

▶『検察側の罪人』原作の沖野と橘。

▶ドラマ「ブラックペアン」最終話、渡海先生の涙しか覚えてない。

▶渡海先生って夏でも生きてるんだなと思った。

▶今日も熱愛報道と匂わせが終わらない。→つづき▶それでもアイドルが好きな理由。

嵐の「夏の名前」歌詞が良い。夏に別れる歌でした。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする