新雪に足跡をつけるべきか、背中を押したのはたった1つの言葉

いまさらですが、雪が降った翌朝、散歩に行きました。佐藤です。

都心で4年振りに20cm超えという、大量の積雪でしたね。

「別に雪なんか興味ねぇし」とすました顔して、こっそり雪だるまつくっちゃった方もいるんじゃないでしょうか。

雪が降った翌朝の散歩の話

その日の朝は、滅多にないくらい早起きができました。

散歩に行かなくてはと真っ先に思いました。

引きこもり体質の私にとって、朝出掛けるなんて学校以外ではありえないことです。

しかし外が雪となると話は違う。今朝は特別な朝。4年に1度しかない朝です。気分はさながらオリンピック選手。

今を逃したら、チャンスは4年後、もしくはもっと先になるかもしれない。

失った機会は帰ってこないってアラブの人が言ってた。

行くしかない。

そうだ、「これから仕事に行くんです」みたいな格好していこう。

通勤中みたいな顔をしてちょっと散歩して帰ってくればいい。

私は雪の上を歩きたいだけなんだ。

というわけで、綺麗なコートを着て小さめのバッグを持って、マスクで顔を隠して家を出ました。

(長いコート着ると下がジャージでもそれっぽく見えるものですね。)

想像の3倍は積もっていました。

適当に道をチョイスしながら歩いていると、小学生のときによく遊んでいた公園に遭遇。

そこそこ広い公園なのですが、驚くことに足跡がほとんどないのです。

小学生は真面目に学校に行ったらしい……。

小綺麗なOL(通勤中)を演じていた私は驚きました。

一歩踏み入れると、新雪、新雪、新雪です。

気づいたら歩くことに夢中になっていました。歩くことに夢中になったのは私の人生の中でも約20年ぶりの快挙。

OLみたいな格好した成人がスマホでばしばし写真を撮りながらひたすら足跡をつけてまわる様子は、もしかしたら雪かき中の近所の人たちに、少しの狂気を与えることができたかもしれません。

途中、ひときわ綺麗に雪が積もっている場所がありました。

これは小学生が喜びそうだ、と思いました。

小学生なら例外なく、放課後いちばんに足跡をつけたいと思うエリアでした。

「大人げない」

頭の中で声がしました。このエリアは小学生に取っておくべきだと。

小学生のためだけではない。自分のためでもある。

私がここに足跡をつけてしまうことで、夢を一つ砕かれた子どもたちは明日を生きる希望を一つ失い、巡り巡って日本の少子化は加速するだろう。

佐藤、高齢になったお前が泣くぞ。なぜあの時、新雪に足跡をつけてしまったんだと。

私は踏みとどまりました。でもその瞬間、ふたたびアラブ人が言ったんです。

「失った機会は、帰ってこない」

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする